山本直樹
若い頃大好きだった漫画家、コミックはほぼ全巻もっていると思う。
現在連載中(?)のレッドも読んでいたりする。
自分が20代のころに読んだ、「フラグメンツ」と言う氏の短編集。
どれも大好きな話だけど、2巻の「地球最後の日々」
これが凄くインパクトがあり、印象に残っている・・当時の自分のあのやりきれない感じや、閉塞感、世紀末を迎える世の中、1996年にスピリッツに掲載されたと思うと
これをリアルタイムや、コミックで読んだ人には残るものがあるのではないかと思う。
どうせ世の中終わるなら、こんな世界は駄目だ、中2病とも言えそうだけど、当時はそんな言葉もなかったと思うし、誰しもが 世紀末で世の中どうなるうだろう・・不景気で先行きは不安で、核戦争とかそんなことも話題になっていた。
その思いを体言したような主人公と、衝撃的なラスト
今読んでも、あの体験をした人には感じることが多い作品だと思う。
久々に読み返してみて改めて思った。
ここまでは前置きで、同「フラグメンツ」2巻に収録されている
「肉彦くんとせんせい」を久々に読んで辛くなった。
この作品は、若い女教師が小学生の男子生徒に好意を抱いてしまい、その生徒の文字通り玩具になってしまう、エロい話。
その女教師の女心、真剣な思いや現実との葛藤、そして無邪気な男子生徒ー
家庭教師と称してエロいこと三昧という禁断の愛に翻弄(?)されていくさまなのだが、
途中に、その女教師に好意を抱く体育教師が出てきて、告白をする・・
「好きだー」と男臭く汗交じりに告白!
「好きな人が別にいる」と断る女教師。
すると、その女教師の学生時代の恋愛や、秘密にしていた家庭教師の副業について、
「あなたはそんなことしちゃ駄目だ、もっと素直に生きなきゃ、そうしないと禁止されている副業について学校に報告しなくちゃならなくなる・・」
女教師「気持ち悪い・・・」
あーこの体育教師は俺だ・・辛い・・
女性心理としては、勝手に近辺調査されて、弱みを握るとやんわりと貴方の為ですよ、と脅迫してきて、相手を追い詰めてくる・・最低の野郎だ。
この気持ちは理解できるし、至極当然の反応だ、漫画内でも気持ち悪く書かれている。
男心理として、好意を抱く人に近づきたい、もっと色々と知りたい、
話のきっかけを見つけたいって気持ちで、相手のことを調べてしまう。
そんな中で、相手の弱みを知ってしまったら・・
勇気を出して告白したのに、あっさり振られてしまったら・・
自分は女性と仲良くなる術を知らない・・もっというと人と仲良くなる方法がわからない・・同姓に対しては、普通に振舞って、結果仲良くなったみたいなことはある。
が、仲良くなろうとして、仲良くなったことは無い。
でも、女性とお付き合いしてみたいし、くだらない話や、悩みを相談したり、されたりしたい。一緒に旅行に行ったり、映画観たり、時間を共有したい。
でも、そのためには、まず仲良くならないと駄目だが、その方法がわからない。
先の体育教師と同じで、相手のことを調べて、なんか共通の話題はないのかと思ってしまう。
そして、「気持ちわるい」ってフレーズを言われたらもう辛く泣いてしまいそうだ
今、この文章を書いてて思ったのは、自分が居ないんだな・・相手のことしか見ていなくて、相手から自分がどう見られるのかが わからないんだ。
普通にすればいいじゃん、とか言われそうだが、もはや普通がわからないし、
女性に対して、話することが思いつかない・・
女性慣れした人が気楽に話している姿を見ると何が違うんだろうって思う。
女なんかおしゃべりだ、勝手にしゃべって満足している とか、言う人がいるが、
そんな女性は、自分の周囲には現れない、
すべては、自分が原因なんだろうけど、別に不潔にしているわけでもなく、会話も普通のつもりなのに・・気楽に話しかけられることは無い・・
気軽に「おまえのそこが駄目なんだよ」って教えてくれる女性が現れればよかったのに、と思う・・もうこの年齢になってしまったけど、このままじゃ辛いよ。